選者プロフィール


千々和 久幸(ちぢわ・ひさゆき)

1937年、福岡県生まれ。
1956年、大学在学中に「香蘭」入会。短歌の〈負の抒情質〉に飽き足らずほぼ同時に詩作を開始。
1965年、第一詩集『恋唄』発刊。
1981年、「香蘭」選者、同年、第一歌集『壜と思慕』刊行。
2001年より「香蘭」代表となり、今日に至る。
歌集『壜と思慕』『祭という場所』『火時計』『人間ラララ』
『水の駅』『生きてはみたが』
詩集『八月緩緩縁者之道行』『水の遍歴』『ダイエット的21』
歌論書『短歌という負い目』
エッセイ『酔風船―Q氏のいたずら日記』
<自選三首>
・この世ではすることがない意味もなくスカイツリーに手を振ったりして
・黴臭き冬の帽子の出でてきぬ元気な日の妻が買いくれしもの
・風船が同じ方向に飛んでゆく何の祭りか空の彼方は

香山 静子(かやま・しずこ)

1964年、香蘭短歌会に入会。1994年より選者。
歌集『流離』(1982年)、『春梢』(2005年)神奈川県歌人会優秀賞受賞、『銀の莟』(2019年)。
エッセイ『シーちゃんの四季』(2017年)、『香山静子童話集』(2019年)、『海への挽歌』(2020年)。
現代歌人協会会員、日本歌人クラブ会員、神奈川県歌人協会名誉会員、鎌倉歌壇副会長、「鎌倉朝日」歌壇選者、鎌倉歌話会会員。
<自選三首>
・一斉に白木蓮の咲きそろふ日の暮れ際の庭の明るさ
・感情に関はりのなく運ばるるわれも一個の重量として
・朱の服の残像消えぬこの日々も白く光れる飯(いひ)をいただく
 

丸山 三枝子(まるやま・みえこ)

1949年、石川県生まれ。
1981年香蘭短歌会入会。
1989年「香蘭年度賞」受賞。
2008年より選者。
歌集『ひと夏の係累』(1989年)、『日比谷界隈』(1998年)、『街路』(2005年)、『歳月の隙間』(2012年)。
現代歌人協会会員、十月会会員。
<自選3首>

・千枚田だんだん海へ傾れゆき一番下の田に人がいる
・老耄を怖れいたりき もう老ゆることなき姑(はは)よさくら満開
・ねばねばのモロヘイヤなど食べている ものの弾みに老年は来て

 

桜井 京子(さくらい・きょうこ)

1955年、広島県生まれ。
1989年、香蘭短歌会入会。
1991年、香蘭新人賞受賞。
1996年、香蘭賞受賞。
2013年より選者。
歌集『冬をとなりに』(2008年)
歌集『超高層の憂鬱』(2018年)
現代歌人協会会員、日本歌人クラブ中央幹事、十月会会員。
<自選三首>
・「獺祭が入荷しました」この秋はさびしいだけの秋にはあらず
・わが知らぬ夜の何処かに窓ひとつあいてゐるやう母なきこの世
・ほととぎす鳴くや皐月のサスペンスひとを殺めて泣く夜頃かな

 

渡辺 礼比子(わたなべ・れいこ)

1950年、東京生まれ。
1983年、香蘭短歌会入会。
2018年より選者。
歌集、『水の塔の見える町』(2009年)
現代歌人協会会員、日本歌人クラブ南関東ブロック幹事、神医歌壇選者。
<自選三首>
・表具屋のうらぐちに干す障子枠「荒間」も「猫間」も秋の日を浴む
・すずしいねえありがたいねえ おばあさんの声がゆうべの角曲がりゆく
・梅の実がこつんと落ちて弾む日よ だいじょうぶ誰か見ていてくれる